発明とは

発明とは

前回の「特許とは」に書いた通り、特許は発明の保護と利用を図ることを目的としています。
では、その「発明」とは何でしょうか。

特許法では、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。」と定義されています※。
これを超意訳すると、「こうした方がいい!ということを具体化したもので、自分が新しいと思っていること」です。
この発明が特許となるためには、本当に世の中にない(客観的に)新しいものである必要がありますが、
発明の時点では自分が新しいと思っているものでいいのです。

例えば、図のような鉛筆の例でみてみましょう。
・世の中には丸い鉛筆しかなく(少なくとも自分はそう思っていて)、転がって困るので何とかしたい。
・転がらないように、鉛筆の形を六角形にした方がいい! ⇒本当に転がらなくなって困りごとが解決した。
この六角形の鉛筆が、まさに発明です。

ちなみに、これを特許発明として出願して特許庁で本当に新しいもの(+α)と認められれば特許がとれます。

※法律家として用語の意味を以下に書きますが、この辺は正直あまりこだわらなくてもよいです。
・「自然法則」は、自然界で経験的に見出される法則であり、例えばモノは上から下に落ちる、みたいなことです。
・「技術的思想」は、技術的課題を解決するための手段で、繰り返し利用できるもの(再現性があるもの)であり、
 例えば工事現場で簡単にモノを壊せるように、重い球を上から下におとせるようにした機械、みたいなことです。

身近な発明の例

①私の子供の例:ゼリーのせハンバーグ

私には、まだ幼稚園の2人の子供がいます。5歳のお姉ちゃんと2歳の弟です。
少し前に、晩御飯で弟がハンバーグを全く食べてくれなくて困ったことがありました。

食べさせようとしても逃げてしまうのを見たお姉ちゃんが、「これなら食べるんじゃない?」と
弟が大好きなゼリーをつぶして、ハンバーグにかけてくれました。

こんなハンバーグは(少なくとも私は)見たことがありません。
しかも、弟はそのハンバーグを美味しそうに食べてくれました。

このゼリーのせハンバーグも発明です。
なぜなら、食べてくれない問題を解決してくれた新しいものだからです。
(みんなが食べるかどうかは別の話ですが、少なくとも弟の問題は解決しています。)

②簡単そうに見えてスゴイ発明

私が子供のころの洗濯機には、洗濯槽の上の方に糸くず取り具がついていました。
(形は変わっていますが、今でもこの糸くず取り具と同じ機能のものが洗濯槽の側面に付いています)

実は、この糸くず取り具は特許となっていた発明です(特公昭47-24828)。
この発明をした人は主婦の方で、洗濯機で洗い終わった後の服に糸くずが付いて困っていたそうです。
そんな中、回っている洗濯機を見ていると、糸くずが水面近くの壁際を回っていることに気付きました。
この気付きから、水面近くの壁際に取り付ける網=糸くず取り具が発明されました。

この発明は、発明者の主婦の方から企業にライセンスされ(特許発明を使わせてあげて)、
商品として計6000万個以上売れました。
特許料(使わせてあげた代わりにもらうお金)は3億円にもなったそうです。

非常に夢のある話です。

さいごに

この記事で最も言いたいことは、発明は誰にでもできるということです。
決して、大きな会社や大学の研究者の人たちでないと出来ないものではありません。

何かを発明するために、最も大切なことは「こうした方がいい!」ことを見つけることです。
日々の生活の中で常にアンテナを張っていれば、あなたも億万長者になれるかも?

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